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転職面接「なぜ今なのか」の答え方|在職中の転職理由と引き継ぎの伝え方
更新日 2026/09/25 / アオハルOS 編集部
転職面接の「なぜ今なのか」は、転職理由そのものを聞いているのではなく、入社後にすぐ辞めないかどうかを確かめる質問です。答え方の軸は、現職への不満を並べることではなく、今このタイミングでなければならない理由を、自分のキャリアの側から説明することにあります。
面接官が「なぜ今なのか」を聞く目的
この質問には、実務的な目的が3つあります。
- 動機の持続性を確かめる。一時的な感情で動いているなら、同じことが自社でも起きると考えられます。
- 入社時期の見通しを立てる。在職中であれば、引き継ぎと退職交渉にどのくらいかかるかを知る必要があります。
- 職務経歴書との整合を確かめる。書類に書かれた経歴の区切りと、語られる動機がずれていないかを見ています。
つまり「なぜ今なのか」は、人柄を試す質問というより、採用側の段取りに直結する質問です。そう捉えると、答えに感情を盛り込む必要がないことが分かります。
避けたほうがよい答え方
次のような答えは、それ自体が嘘でなくても、面接では情報として弱くなります。
- 現職への不満だけで終わる(「評価制度に納得できなかった」で止める)
- 他責の説明に終始する(上司・会社・業界の話ばかりになる)
- 時期の説明がない(「もっと成長したい」だけでは、なぜ去年でも来年でもないのかが不明)
- 漠然とした将来像(「幅広く経験を積みたい」は、どの会社にも当てはまる)
不満を語ってはいけないわけではありません。問題は、不満で終わると「その不満が解消されたら残ったのでは」という疑問が残ることです。不満は出発点として一言で触れ、そこから先を主語を自分にして続けてください。
不満を「望み」に変換する型
実際の変換は次の手順で行えます。
- 現状で困っていることを、そのまま書き出す。
- その裏返しとして「本当はどうなっていたら良かったか」を書く。
- それが今の会社では実現しにくい構造的な理由を、一文で書く。
- 応募先でそれが実現できると考えた根拠を、求人票や公開情報から1つ挙げる。
例にすると、次のような形になります。
「現職では〇〇の業務が分業されており、企画から運用までを通して担当する機会が限られていました。私は一連の流れを見たうえで改善したいと考えており、募集要項に記載のある△△の役割であればその形で関われると考え、応募しました。」
「今」の理由は、この4番目に自然と含まれます。直近で区切りがついた案件がある、資格を取り終えた、担当していたプロジェクトが一段落した、といった事実があれば、それを添えると時期の説明が具体的になります。
在職中の転職活動で聞かれやすい引き継ぎと退職時期
在職中の応募では、動機と同じくらい実務的な確認が入ります。よく聞かれるのは次の3点です。
| 質問 | 準備しておくこと |
|---|---|
| 退職の意思は伝えているか | 伝えている/内定後に伝える、どちらかを明確に |
| 引き継ぎにどれくらいかかるか | 就業規則の退職申出期限と、担当業務の区切りから逆算した月数 |
| 入社可能時期はいつか | 最短と現実的な時期の2つ |
答えるときは、希望ではなく根拠を添えてください。「1か月半あれば引き継げます。担当案件が3件で、うち2件は月末で区切りがつくためです」のように、数字と理由をセットにすると信頼されます。
退職の申出時期は就業規則や契約内容により異なります。必ず自社の規程を確認してください。
職務経歴書と回答の一貫性を保つ
面接官は職務経歴書を見ながら質問しています。ここがずれると、動機の説明がどれだけ整っていても評価が下がります。確認したいのは次の点です。
- 在籍期間の区切りと、語る転職理由の時期が合っているか
- 職務経歴書で強調した業務と、志望動機で語る「やりたいこと」が同じ方向か
- 数字(期間・件数・規模)が書類と口頭で一致しているか
特に3つ目は見落とされがちです。書類に「約30件」と書いたなら、口頭でも同じ数字を使ってください。細かいようですが、数字の揺れは準備不足として受け取られます。逆に、書類に書いていない強みを面接で突然出すのも避けたほうが無難です。話すなら、書類のどの経験の延長なのかを先に示してから続けてください。
業界や職種を変える転職での「なぜ今」
未経験分野への応募では、「なぜ今」の重みが変わります。聞かれているのは、なぜこの年齢・このキャリア段階でその転換をするのか、という点です。答えの骨格は次の3つで作れます。
- 現職で積んだ力のうち、応募先でも使えるものを1つに絞って挙げる。
- その力だけでは足りない部分を自覚していることを示す。
- 足りない部分を埋めるために、すでに着手していることを挙げる(学習、資格、副業、社内での関連業務など)。
3番目があるかどうかで、説得力が大きく変わります。「これから勉強します」ではなく「すでに〇〇まで進めています」と言える状態を作ってから応募するほうが、面接の負担は軽くなります。
厚生労働省が示す「公正な採用選考」も知っておく
面接で答える側として知っておくと安心なのが、採用選考のルールです。厚生労働省は公正な採用選考の基本として、次の2つを挙げています。
「人を人として見る」人間尊重の精神、すなわち「応募者の基本的人権を尊重すること」
「応募者の適性・能力に基づいた基準により行うこと」
そのうえで、採用選考時に配慮すべき事項として、本人に責任のない事項(本籍・出生地、住宅状況、家族、生活環境・家庭環境)や、本来自由であるべき事項(宗教、人生観・生活信条、思想、購読新聞・雑誌・愛読書、支持政党、尊敬する人物、労働組合や学生運動などの社会運動)の把握を挙げています。「なぜ今なのか」は適性・能力に関わる質問なので、当然聞かれます。一方で、家族の状況や思想信条に踏み込む質問は、本来配慮すべき事項とされています。答えづらい質問が来たときに、それが選考の必須事項ではないと知っているだけでも、落ち着いて対応しやすくなります。
声に出して練習するときのチェックポイント
最後に、練習時に確認したい点を挙げます。
- 最初の一文で「今である理由」を言い切れているか。
- 現職の話が全体の3割以下に収まっているか。
- 応募先の公開情報に基づく根拠が1つ入っているか。
- 退職時期を聞かれたときに、根拠つきで答えられるか。
- 職務経歴書に書いた数字と、口頭の数字が一致しているか。
録音して聞き返すと、2番が超えていることに自分で気づけます。不満の話は、書き出す段階では長く、話す段階では短くが目安です。
よくある質問
- Q. 在職中であることは面接で不利になりますか。
- 不利になるとは限りません。ただし入社可能時期の確認は必ず入るため、就業規則の退職申出期限と担当業務の区切りを踏まえた見通しを、根拠つきで説明できるようにしておいてください。
- Q. 転職理由が人間関係の場合、正直に言ってもよいですか。
- そのまま伝えると他責に聞こえやすいため、事実を一言で触れたうえで、自分がどう働きたいかに言い換えるのが現実的です。「相性が合わなかった」ではなく「意思決定の過程が共有される環境で働きたい」のように、望む状態の側から述べてください。
- Q. 面接で家族構成や結婚の予定を聞かれたら、答える義務はありますか。
- 厚生労働省は、家族に関することや生活環境・家庭環境に関することを、採用選考時に配慮すべき事項として挙げています。対応は状況によりますが、選考に必要な事項ではないと理解しておくと落ち着いて判断できます。詳細は厚生労働省のページを確認してください。
出典・参考
入試日程・提出書類・字数などは大学・学部・年度によって異なります。出願前に必ず志望校の最新の募集要項をご確認ください。