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資料・グラフ型小論文の書き方|図表の読み取りから結論までの手順
更新日 2026/10/07 / アオハルOS 編集部
資料・グラフ型の小論文は、「図表を読み取る力」と「自分の主張を組み立てる力」の両方が問われます。数字を書き写すだけでは読み取りにとどまり、資料を無視して意見だけ書くと設問に答えていないことになります。読み取りから結論までの手順を、着眼点・段落配分・書き方の順に整理します。
問われているのは「読み取り」と「主張」の両方
文部科学省の令和9年度大学入学者選抜実施要項では、小論文が選抜の評価方法の一つとして挙げられています。どのような資料が出るか、字数がどれくらいかは大学ごとに異なるため、実際の出題形式は必ず募集要項で確認してください。
そのうえで、資料・グラフ型でつまずく人は次の2つに分かれます。
- 資料の数字を丁寧に説明して終わってしまい、自分の主張がない
- 自分の考えだけを書き、資料の数字に一度も触れていない
設問が「資料から読み取れることを踏まえて、あなたの考えを述べなさい」という形であれば、両方が必要です。まず読み取りを短くまとめ、そこから主張につなげる、という順番を固定してしまうのが安全です。
図表を読むときの3つの着眼点
資料を渡されたとき、いきなり書き始めず、次の順で見てください。
- 全体の傾向:増えているのか、減っているのか、横ばいなのか。期間全体でどう動いたか
- 変化点と例外:途中で向きが変わった年はどこか。他と大きく違う項目はどれか
- 比較の軸:何と何が比べられているか(年ごと/国ごと/年齢層ごと/男女など)
例:「2010年から2020年にかけて全体では緩やかに減少しているが、20代のみ2015年を境に増加に転じている」
この一文のように、「全体の傾向」と「例外」を一緒に書けると、読み取りとして必要な情報がそろいます。3つ全部を書く必要はなく、設問に関係のある1〜2点に絞ってください。
グラフの軸の単位(%か実数か、対前年比か)を見落とすと、読み取りごと間違いになります。数字を引く前に軸のラベルを必ず確認してください。
600字・800字での段落配分
資料型では、読み取りに字数を使いすぎると主張が薄くなります。目安として、読み取りは全体の2〜3割に収めてください。
| 字数 | 読み取り | 主張と理由 | 結論 |
|---|---|---|---|
| 600字 | 120〜150字 | 350〜400字 | 80〜100字 |
| 800字 | 160〜200字 | 480〜520字 | 100〜120字 |
- 第1段落:資料から読み取れることを1〜2点、短く書く
- 第2段落:そこから考えられる原因や課題を、自分の言葉で述べる
- 第3段落:自分の主張と、その理由を書く
- 最終段落:主張をもう一度、一文で言い直す
最終段落で新しい話題を足すと、主張がぼやけます。結論では第3段落で述べたことを言い直すだけで十分です。
数字の書き方と引用のしかた
数字は、多く出すほど説得力が上がるわけではありません。主張を支える最小限に絞ります。
| 書き方 | 例 | 評価 |
|---|---|---|
| 数字を並べる | 2010年は32%、2015年は29%、2020年は26%である | 読み取りの羅列で終わりやすい |
| 傾向にまとめる | 2010年から2020年の10年間で約6ポイント減少している | 主張につなげやすい |
- 数字は「資料によると」「図1から」など、出所が分かる形で書く
- 小数点は資料の表記に合わせる。勝手に四捨五入して断定しない
- 「%」と「ポイント」を混同しない(32%から26%への変化は「6ポイントの減少」)
例:「資料によると、この10年間で全体の割合は約6ポイント下がっている。一方で20代だけが増加しており、年齢層による差が広がっていることが読み取れる。」
やりがちなNGと直し方
- 資料の数字をすべて書き写す → 設問に関係する1〜2点に絞る
- 資料に書かれていない原因を断定する → 「〜が一因と考えられる」と推測の形で書く
- 資料と無関係な自分の体験だけで論じる → 体験は主張の補強に回し、起点は資料の数字にする
- 「対策すべきだ」で終わる → 誰が何をするのか、一つだけ具体的に書く
原因を断定できる資料はほとんどありません。断定できないことは、断定しない書き方に変えるだけで減点を避けられます。
提出前のチェックリスト
- 設問の指示(「資料を踏まえて」「比較して」など)に答えているか
- グラフの軸の単位を取り違えていないか
- 読み取りが全体の3割以内に収まっているか
- 主張が一文で言い切れる形になっているか
- 結論に新しい話題を足していないか
- 「%」と「ポイント」を使い分けているか
よくある質問
- Q. 資料が複数(グラフと文章など)出された場合はどうしますか。
- まず両方に共通する話題を探し、そこを起点にしてください。片方にしか触れずに書くと、設問の指示から外れる可能性があります。共通点が見つからない場合は、対立点を示して「どちらの見方を取るか」を主張にする形にできます。
- Q. 読み取った内容が合っているか自分では分かりません。
- 軸の単位と比較の軸(何と何を比べているか)を声に出して確認すると、取り違えに気づきやすくなります。それでも不安な場合は、書いた読み取り部分だけを人に読んでもらい、資料を見なくても意味が通じるか確かめてください。
- Q. 自分の意見に自信がないときはどう書けばいいですか。
- 独自性より、資料とつながっているかが優先されます。読み取った傾向に対して「この点を優先して考えるべきだ」という形で立場を一つ選び、その理由を2つ挙げれば主張として成り立ちます。
出典・参考
入試日程・提出書類・字数などは大学・学部・年度によって異なります。出願前に必ず志望校の最新の募集要項をご確認ください。