高校生・保護者 / 小論文
小論文の賛成反対型の書き方|立場の選び方と譲歩の型
更新日 2026/09/28 / アオハルOS 編集部
賛成か反対かを問われる小論文でつまずく原因は、書く力ではなく「立場を決めきれていないこと」にあります。先に立場を一文で言い切り、反対側の言い分に一段だけ触れてから自分の理由に戻る。この順番を守るだけで、同じ材料でも論の通り方が変わります。
賛成反対型で最初に決めるのは「立場」
賛成反対型(是非を問う型)の設問は、「〜について、賛成か反対かの立場を明らかにして論じなさい」という形で出されます。ここで求められているのは、正解を当てることではなく、一つの立場を選び、その立場を筋の通った理由で支えることです。
書き始める前に決めておくことは三つだけです。第一に、自分の立場(賛成か反対か)。第二に、その立場を支える理由を二つ。第三に、反対側の言い分として触れる一点です。この三つが決まっていないまま書き出すと、途中で立場が揺れ、読み手には「結論が分からない文章」として残ってしまいます。
- 立場を決める(賛成/反対のどちらか一つ)
- 理由を二つ書き出す(できれば性質の違う二つ)
- 反対側の言い分を一つ書き出す
- 反対側に触れたうえで、自分の立場に戻る一文を用意する
設問に「あなたの考えを述べよ」とだけある場合も、賛否が問える題材なら立場を明示したほうが論はまとまります。ただし出題の指示が優先です。
立場は「正しさ」ではなく「書きやすさ」で選ぶ
本心では賛成だが、反対のほうが理由を挙げやすい。そういうときは、書きやすいほうを選んで構いません。小論文で評価されるのは立場の正しさではなく、その立場をどれだけ筋道立てて支えられるかです。
判断の基準は単純です。試験時間内に、具体例を一つ添えた理由を二つ書けるか。書けるほうが、あなたにとって書きやすい立場です。「どちらが世の中で支持されているか」で選ぶと、理由が抽象的な一般論ばかりになり、かえって薄い文章になります。
迷ったときのメモ法(下書き用紙の使い方)
用紙を左右に分け、左に「賛成の理由」、右に「反対の理由」を思いつく順に書き出す。2分で書けた数が多いほうを自分の立場にする。残った側のメモは、そのまま譲歩の材料として使える。
課題文がついている型では、筆者の主張に賛成でも反対でも構いませんが、筆者が何を主張しているかを取り違えると論全体がずれます。立場を決める前に、課題文の主張を一文でまとめてください。
反対意見に触れる(譲歩)の型
賛成反対型の小論文で差が出るのは、反対側の言い分をどう扱うかです。無視すると「一方的」に見え、深入りすると自分の立場が薄まります。使うのは次の三文の型です。
- 反対側の言い分を正確に一文で認める(たしかに〜という指摘がある)
- その言い分が当たる範囲を限定する(しかし、それは〜の場合に限られる)
- 自分の立場に戻って理由を一つ足す(したがって、私は〜と考える)
たしかに、制度を導入すれば現場の負担が増えるという指摘がある。しかしその負担は、導入初期の手続きに集中するものであり、運用が定着すれば軽くなる性質のものだ。したがって私は、長期的な効果を重視して導入に賛成する。
この三文は、序論で立場を述べた直後ではなく、自分の理由を一つ書いたあとに置くと安定します。理由より先に譲歩が来ると、読み手は途中まであなたの立場を判別できません。
譲歩に使う段落は全体の1〜2割が目安です。反対側の言い分を二つ以上並べると、実質的に両論併記になります。
賛成で書く場合・反対で書く場合の構成例
どちらの立場でも骨格は同じで、順番と分量が変わるだけです。800字の答案を想定した構成を並べます。
賛成で書く場合
- 序論:賛成の立場を一文で明示する
- 本論1:賛成の理由(最も強い理由を先に)+具体例
- 本論2:反対側の言い分に触れ、範囲を限定して立場に戻る
- 結論:賛成の立場を言い換えて締める(新しい主張は足さない)
反対で書く場合
- 序論:反対の立場を一文で明示する
- 本論1:反対の理由(想定される弊害を具体的に)+具体例
- 本論2:賛成側が挙げる利点を認めたうえで、それでも反対する条件を示す
- 結論:反対の立場を言い換えて締める
反対で書くときの注意点は、反対が「何も変えなくてよい」に見えてしまうことです。「導入には反対だが、代わりに〜という方法が考えられる」と代案を半文添えるだけで、後ろ向きな印象は消えます。代案は長く書かず、一文で止めてください。
両論併記で終わらせないための確認
提出前に確認したいのは、次の点です。書き上げた直後は自分では気づきにくいので、声に出して読むと見つけやすくなります。
- 序論の一文だけを読んで、賛成か反対かが分かるか
- 「〜という意見もある」で終わっている段落がないか
- 結論に、本論で触れていない新しい主張が入っていないか
- 理由が二つとも同じ内容の言い換えになっていないか
- 譲歩の段落が、自分の立場に戻って終わっているか
とくに多いのが、結論で「どちらの意見にも一定の理はある」とまとめてしまう形です。両方の理を認めることと、立場を決めないことは別です。認めたうえで、最後は自分の側に戻ります。
字数別の配分の目安
| 字数 | 序論(立場) | 本論1(理由) | 本論2(譲歩+理由) | 結論 |
|---|---|---|---|---|
| 400字 | 40〜60字 | 150〜180字 | 100〜130字 | 40〜60字 |
| 600字 | 60〜80字 | 200〜250字 | 180〜220字 | 60〜80字 |
| 800字 | 80〜100字 | 280〜330字 | 250〜300字 | 80〜100字 |
| 1000字 | 100〜120字 | 350〜400字 | 320〜380字 | 100〜130字 |
400字では譲歩を三文の型のまま入れると窮屈になるので、「たしかに〜だが、〜」の一文に圧縮します。800字以上あれば、譲歩を独立した段落として置けます。
出題形式・字数・配点は大学・学部ごとに異なり、年度によって変わります。必ず募集要項と過去問で確認してください。
よくある質問
- Q. 本当は賛成なのに、反対で書いても不利になりませんか。
- 立場そのものが評価されるわけではないため、不利にはなりにくいと考えられます。ただし、自分が納得していない立場で書くと具体例が出にくくなります。書き出す前に理由が二つ挙がるかを確かめてください。
- Q. 賛成と反対のどちらとも言えない、という結論でもよいですか。
- 設問が立場を明らかにするよう求めている場合は、どちらかを選んでください。条件つきの立場(「〜という前提が満たされるなら賛成」)なら立場を示したことになりますが、その前提を本論で説明する必要があります。
- Q. 譲歩の段落で反対側の言い分を強く書きすぎた気がします。
- 譲歩のあとに「しかし」で範囲を限定する一文と、自分の理由を一つ足す一文が入っていれば持ちこたえます。入っていなければ、その二文を足すのが最短の修正です。
出典・参考
入試日程・提出書類・字数などは大学・学部・年度によって異なります。出願前に必ず志望校の最新の募集要項をご確認ください。