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課題文型小論文の要約の書き方|拾う3要素と字数の配分

更新日 2026/10/10 / アオハルOS 編集部

課題文型の小論文で要約を求められたときは、筆者の主張・根拠・対比の3要素だけを拾うとまとまります。文章を頭から縮める書き方では、字数が足りなくなるか、感想が混ざるかのどちらかになります。この記事では、大学が公表している出題意図を手がかりに、要約の手順と字数配分を整理します。

課題文型で「要約する力」が見られている

青山学院大学が2026年度の学校推薦型選抜・総合型選抜等について公表している出題意図には、文章の読解や要約に触れた記載が複数あります。

コミュニティ人間科学部の小論文では「図表を含む論説文を読解し、その内容を的確に要約する力」が挙げられています。英米文学科の小論文(英語および日本語)では「英語論説文を読み、議論の要点を的確に日本語で説明する力」とされています。フランス文学科の小論文では「文章を読んでその内容を的確に把握したうえで」という表現が使われ、地球社会共生学部の小論文では「「公共性」の理論を「共同体」の理論と比較しながら論じた文書の読解力を確認し」とされています。法学部の小論文(日本語)では「社会科学の基礎概念を素材にした日本語の文章を読み」という記載があります。

並べてみると、共通している語が見えてきます。「的確に要約する力」「議論の要点を的確に」「内容を的確に把握」と、どれも「的確に」が付いています。要約で見られているのは、たくさん書けることではなく、筆者が言いたいことを外さないことだと考えてください。

文部科学省の令和9年度大学入学者選抜実施要項でも、小論文等の活用について、「自らの考えを論理的・創造的に形成する思考・判断の能力」を含む能力・適性等を多角的に評価するために望ましいとされています(第6の3)。課題文は、自分の考えを形づくるための材料として置かれています。材料の読み取りを間違えれば、その後に書く意見も根拠を失います。

小論文の出題形式、要約の有無、字数、制限時間、評価の観点は大学・学部・方式ごとに異なります。受験する大学の募集要項や公表資料で必ず確認してください。

要約と「あなたの考え」の役割は違う

課題文型の設問は、多くの場合2つの部分に分かれています。「課題文を要約せよ」と「それについてあなたの考えを述べよ」です。設問が1問にまとまっている場合も、答案の中で役割を分ける必要があります。

部分書くこと書いてはいけないこと
要約筆者の主張と、その根拠自分の賛否、感想、課題文にない知識
意見自分の立場と、その理由課題文の言い換えだけ

要約に自分の賛否が混ざるのが、最も多い失敗です。「筆者は〜と述べているが、この考えには無理がある」と書いた時点で、それは要約ではなく意見になります。要約の部分では、賛成も反対も書きません。

逆に、意見の部分が課題文の言い換えで終わるのも避けたい形です。「筆者の言うとおり、◯◯は重要である」だけでは、自分の考えを形成したことになりません。

役割を分けるために、答案を書き始める前に、要約の最後の一文と意見の最初の一文を決めておく方法が使えます。「以上が筆者の主張である」と置けば境目がはっきりしますが、字数が惜しい場合は、意見の冒頭で「この主張に対し、私は〜と考える」と立場を宣言すれば足ります。

課題文から拾う3要素

要約で拾うのは3つだけです。

  1. 主張(筆者が最も言いたいこと。多くは文章の最後か、段落の冒頭にある)
  2. 根拠(主張を支える理由や事例。複数ある場合は中心の1〜2つ)
  3. 対比(筆者が否定している考え、比較している対象、前提としている状況)

3番の対比が、要約の質を分けます。論説文の多くは「一般にはこう言われているが、実際はこうだ」という形で書かれています。この「一般にはこう言われている」の部分を落とすと、筆者の主張が何に対する主張なのかが消えてしまいます。

(対比を入れた書き方)筆者は、◯◯は△△のために必要だと一般に説明されてきたと述べたうえで、実際には□□の役割を果たしていると主張する。
(対比を落とした書き方)筆者は、◯◯が□□の役割を果たしていると主張している。

下の書き方でも間違いではありませんが、筆者がどの考えに反論しているのかが伝わりません。地球社会共生学部の出題意図にあるように、比較しながら論じた文章が課題文になることもあります。そうした文章では、比較の構図そのものが要約に入る内容です。

拾わないものも決めておきます。具体例の細部、固有名詞の列挙、数値の細かい内訳、筆者の体験談の情景描写は、字数に余裕がない限り落とします。例は「◯◯の事例を挙げながら」と一言に圧縮できます。

線を引く手順

試験時間の中で作業する順番を決めておくと、読み直しの回数が減ります。

  1. 設問を先に読む(要約の字数、何を要約するのか、意見の条件を確認する)
  2. 課題文を一度通して読み、段落の番号を振る
  3. 各段落の中心となる一文に線を引く(段落ごとに1本まで)
  4. 線を引いた文の中から、主張・根拠・対比に当たるものを選ぶ
  5. 選んだ文を自分の言葉に言い換え、順番を並べ替えて一続きにする

3番で「段落ごとに1本まで」と制限するのが要点です。線が増えるほど、どれが中心か分からなくなります。段落の中に候補が2つある場合は、次の段落につながる方を選んでください。

5番の「自分の言葉に言い換え」を省略すると、課題文の文をつなぎ合わせた答案になります。前の見出しで見たとおり、出題意図では「的確に要約する力」が見られています。写すだけの答案は、読み取れたことの証明になりません。言い換えるときは、課題文の中心となる語(キーワード)はそのまま使い、述語や接続の部分を自分の言葉にする形が安全です。

字数別の圧縮の仕方

要約の字数は設問で指定されます。字数ごとに、入れる要素を変えてください。

要約の字数入れる要素文の数の目安
100字程度主張のみ(+対比を一言)1〜2文
200字程度主張+根拠1つ+対比2〜3文
400字程度主張+根拠2つ+対比+例の圧縮4〜5文

要約と意見の両方を一つの答案に書く場合は、全体の字数から配分を決めます。

全体の字数要約意見
600字150〜200字400〜450字
800字200〜250字550〜600字

要約が全体の3分の1を超えると、意見を書く字数が残りません。要約に字数を使いすぎる答案は、たいてい具体例を残しています。例を一言に圧縮する作業に戻ってください。

指定が「◯字以内」の場合は、指定字数の9割程度を目安にします。「◯字程度」の場合は、前後1割の範囲に収めるのが安全です。

避けたい書き方と置き換え

避けたい書き方置き換えた書き方
筆者は〜と述べているが、私はそうは思わない(要約部分で)筆者は〜と述べている(賛否は意見の部分へ)
課題文の一文をそのまま引き写す中心となる語は残し、述語と接続を自分の言葉にする
この文章はとても興味深い内容だった(感想は書かない)
筆者は◯◯について様々な点を指摘している筆者は◯◯について、△△と□□の2点を指摘している
第一段落では〜、第二段落では〜と述べている(段落順の説明ではなく、主張を中心に組み直す)

最後の行は見落とされがちです。段落の順に内容を並べると、字数は埋まりますが、どれが主張なのかが示されません。要約は文章の目次ではなく、主張を中心に組み直したものです。

「様々」「いろいろ」「など」で済ませる書き方も、読み取れていないことが伝わります。数を挙げられるなら「2点」「3つ」と数えて書いてください。

意見につなぐ一文の型

要約から意見に移る部分には、型があります。

以上の主張に対し、私は◯◯という点で同意する。ただし、△△の場合には別の考え方が必要だと考える。
筆者の主張は□□を前提としている。この前提が成り立たない場面を考えると、〜

2つ目の形は、筆者の前提に目を向ける書き方です。前の見出しで見たとおり、要約では対比や前提を拾います。拾った前提を意見の出発点にすれば、要約と意見が一本の線でつながります。

賛成か反対かを決めかねる場合は、「どの範囲では同意できるか」を切り口にしてください。全面的な賛成・反対を選ばなくても、条件を限定した立場は取れます。ただし、立場を示さずに「両方の見方がある」で終わる答案は、自分の考えを形成したことになりません。最後に一つの立場を言い切ってください。

書き終えたあとの確認

提出前に、次の3点を確認してください。

  1. 要約の部分に、自分の賛否や感想が混ざっていないか
  2. 筆者が反論している考え(対比・前提)が要約に入っているか
  3. 意見の部分が、要約で拾った語を使って書かれているか

3番が最も見落とされます。要約で挙げた語が意見に一つも出てこない答案は、課題文と関係のない意見文になっています。要約で使った中心の語を、意見の中で少なくとも一度使ってください。

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よくある質問

Q. 要約に自分の意見を少し入れてもいいですか。
要約の部分では書きません。設問が要約と意見に分かれている場合、要約に賛否が混ざると設問の区切りを守っていない答案になります。意見は指定された部分で書いてください。
Q. 課題文の文をそのまま使ってはいけませんか。
中心となる語をそのまま使うのは問題ありませんが、文をそのまま引き写してつなぐと、読み取れたことを示せません。述語や接続の部分を自分の言葉に置き換えてください。
Q. 要約は何文で書けばいいですか。
字数で決まります。100字程度なら1〜2文、200字程度なら2〜3文、400字程度なら4〜5文が目安です。文を短く切りすぎると、主張と根拠の関係が見えにくくなります。
Q. 要約の字数指定がない場合はどうすればいいですか。
全体の字数の3分の1以内に収めるのが目安です。600字なら150〜200字、800字なら200〜250字程度にし、残りを意見に使ってください。

出典・参考

入試日程・提出書類・字数などは大学・学部・年度によって異なります。出願前に必ず志望校の最新の募集要項をご確認ください。

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