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小論文の本論の書き方|理由と具体例をセットにする構成と字数配分
更新日 2026/10/06 / アオハルOS 編集部
小論文の本論は、理由を並べるだけでは評価されにくく、「理由」と「具体例」をセットで書くと説得力が出ます。この記事では、理由を一つに絞る考え方、具体例の探し方、反対意見への触れ方、字数別の配分の目安を順番に説明します。
小論文の本論で問われていること
小論文で見られているのは、意見の正しさではなく、その意見を筋道立てて説明できているかどうかです。文部科学省の「令和9年度大学入学者選抜実施要項」では、入学者選抜について「学力検査、小論文等を主な資料とし、また、大学・学部等の目的、特色、専門分野等の特性によっては実技検査等を主な資料に加えつつ、調査書、面接、入学志願者本人の記載する資料等を組み合わせて」評価・判定すると示されています。つまり小論文は、調査書や面接と並ぶ「主な資料」として扱われています。
同じ要項では、入学者の能力・意欲・適性を評価する方法として「小論文、面接、実技検査、エッセイ、口頭試問、ディベート、集団討論、プレゼンテーション等を活用することが望ましい」とも書かれています。小論文が求められているのは、知識の量ではなく、考えを整理して文章で伝える力だと読み取れます。
本論は、その力がもっとも表れる部分です。序論で示した主張を、読み手が納得できる形まで支える役割を担います。逆に言えば、本論に根拠が入っていなければ、序論と結論でどれだけきれいに言い切っても評価は伸びません。
小論文の出題形式・字数・制限時間は大学や学部ごとに異なります。受験する大学の募集要項で必ず確認してください。
本論の基本形は「理由+具体例」のセット
本論の最小単位は、「なぜそう考えるのか(理由)」と「その理由を裏づける場面や事実(具体例)」の2つです。この2つをセットにして書くと、主張が宙に浮かずに済みます。
- 主張をもう一度、一文で言い直す
- その理由を一文で書く(「なぜなら〜だからだ」)
- 理由を裏づける具体例を書く(実際の場面・数字・体験)
- 具体例から理由に戻り、主張につなげる一文で締める
私は、学校での端末の活用はさらに進めるべきだと考える。なぜなら、学び方の選択肢が増えることで、授業についていきにくい生徒が自分の速度で学び直せるからだ。私のクラスでも、英語の授業で音声教材を各自の端末で聞けるようになってから、発音の確認を繰り返す生徒が増えた。一斉に進む授業では止まれなかった部分を、自分で止めて確認できるようになったことが大きい。だからこそ、端末の活用は選択肢を増やす方向で進めるべきだと考える。
よくある失敗は、2番の理由を3つ並べて、具体例を一つも書かないまま字数が尽きるパターンです。理由が増えるほど一つあたりの説明は浅くなります。理由の数より、理由と具体例が結びついているかを優先してください。
具体例の探し方(ニュース・資料・自分の体験)
具体例が思いつかないときは、次の3方向から探すと見つかりやすくなります。
- ニュースや新聞で見た具体的な出来事。大きな事件でなくてもよく、身近な変化で十分です
- 教科書・白書・統計などの資料で確認した事実や数字。出典が言える事実は強い根拠になります
- 自分が実際に見た・聞いた・体験した場面。部活、授業、アルバイト、家族との会話など
このうち、他の受験生と差がつきやすいのは3番目です。ニュースだけで組み立てると、同じ設問を解いた多くの人と内容が似てきます。一方で、体験だけでは「個人の感想」に見えることがあります。体験を一つ挙げたうえで、資料で確認した事実を一言添える形がもっとも安定します。
数字を書くときは、自分が出典を言える数字だけにしてください。記憶があいまいな数字は、「増えている」のように程度の表現に置き換えたほうが安全です。
理由は一つに絞って深く書く
本論に使える字数は限られています。600字の小論文なら本論は300〜400字程度、800字なら400〜500字程度が一つの目安です。この分量で理由を3つ説明しようとすると、1つあたり100字強しか使えず、具体例を入れる余地がなくなります。
理由を一つに絞るときは、「具体例を思いつける理由」を選んでください。頭の中で正しそうに見える理由より、裏づけを書ける理由のほうが本論は書きやすくなります。書き出す前に、思いついた理由を2〜3個メモして、それぞれに具体例が付くかを確認し、付くものを残すと迷いが減ります。
絞った理由は、次の3段階まで掘り下げます。
- なぜそう言えるのか(理由そのもの)
- それはどんな場面で起きているのか(具体例)
- その場面から何が言えるのか(一般化して主張に戻す)
3段階目を書き忘れると、具体例が置かれただけで終わり、読み手が自分で結論をつなげることになります。一文でよいので、必ず戻してください。
反対意見に一言触れてから主張に戻る
本論の後半で、反対の立場に一度触れると、視野の広さが伝わります。形は決まっています。「◯◯という意見もある。しかし△△という点を踏まえると、やはり××と考える」です。
たしかに、端末の活用が増えることで、紙に書いて覚える機会が減るという指摘もある。しかし、紙と端末は択一ではなく、確認の回数を増やす手段として使い分けられる。したがって、活用の幅を広げる方向で進めるべきだと考える。
触れる分量は、本論全体の2〜3割程度に抑えてください。反対意見の説明が長くなると、どちらの立場なのかが読み手に伝わりにくくなります。また、反対意見を否定するのではなく、「その指摘は成り立つが、自分の主張はこの条件で成り立つ」という形にすると、乱暴な印象になりません。
字数別・本論の配分の目安
配分は設問によって変わりますが、迷ったときの出発点として次の割合が使えます。
| 全体の字数 | 序論 | 本論 | 結論 |
|---|---|---|---|
| 400字 | 60〜80字 | 220〜280字 | 60〜80字 |
| 600字 | 90〜120字 | 330〜420字 | 90〜120字 |
| 800字 | 120〜160字 | 440〜560字 | 120〜160字 |
本論の中は、「理由」2〜3割、「具体例」4〜5割、「反対意見への言及」2〜3割を目安にすると、具体例が薄くなりにくくなります。制限時間については、大学によって幅があります。たとえば武蔵大学の2027年度総合型選抜では、人文学部英語英米文化学科の筆記試験が「日本語小論文 90分」、経済学部の筆記試験(総合問題)が「80分」と示されています。時間配分の練習をするときは、受験する大学の募集要項で必ず時間と字数を確認してください。
課題文型や資料提示型では、要約や読み取りに字数を割く設問もあります。上の割合は意見論述型を前提とした目安です。
書き終えたあとの3つのチェック
書き上げたら、次の3点だけ確認してください。
- 本論の中に、具体的な場面・事実・数字のどれかが1つ以上入っているか
- 具体例から主張に戻る一文があるか
- 反対意見に触れた部分が、本論の3割を超えていないか
この3つが満たせていれば、本論の骨組みはできています。表現のなめらかさは、骨組みができたあとで直すほうが早く終わります。
アオハルOSのテンサクンは、書いた本論を貼り付けると、理由と具体例の配分や、主張に戻る一文があるかという観点で改善点を返します。登録だけ・カード不要で無料で試せます。専門塾の100分の1の費用感で使えるPro(月980円)もあります。
よくある質問
- Q. 本論は一段落で書くべきですか、分けるべきですか。
- 理由が一つなら一段落でまとまります。反対意見に触れる部分を入れる場合は、そこで段落を分けると読みやすくなります。400字程度の小論文なら、本論を2段落以上に細かく割る必要はありません。
- Q. 具体例に自分の体験を書くと、感想文のようになりませんか。
- 体験を書いたあとに「この場面から何が言えるか」を一文で加えれば、感想文にはなりません。体験の描写を短くし、そこから引き出した一般的な指摘に字数を使うのがコツです。
- Q. 本論で字数が足りないときは、どうすればいいですか。
- 同じことを言い換えて伸ばすのではなく、具体例を一段詳しくします。いつ・どこで・何が起きたかを一つ足すだけで、説得力と字数の両方が増えます。
出典・参考
入試日程・提出書類・字数などは大学・学部・年度によって異なります。出願前に必ず志望校の最新の募集要項をご確認ください。