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面接の深掘り質問への対策|「なぜ」を繰り返されても詰まらない準備法
更新日 2026/09/25 / アオハルOS 編集部
面接で「それはなぜですか」を三回、四回と重ねられて頭が真っ白になった。総合型選抜や学校推薦型選抜の面接練習でいちばん多い悩みです。結論から言うと、深掘り質問は落とすための質問ではなく、提出書類の内容が本人のものかを確かめるための質問です。だから対策は、話術ではなく書類の側にあります。
深掘り質問が避けられない理由は制度側にある
まず前提を確認します。文部科学省の令和9年度大学入学者選抜実施要項は、総合型選抜について次のように定めています。
「志望する学問分野に対する意欲や適性等に係る面接(ディベート、集団討論、プレゼンテーション、口頭試問等を含む。オンラインによる実施を含む。)による評価を必ず行う」(第3の1(2)②)
同じ要項は、評価の進め方についても「詳細な書類審査と時間をかけた丁寧な面接等を組み合わせることによって」と書いています。さらに、志願者本人が記載する資料(活動報告書、入学希望理由書、学修計画書等)を「必ず評価に活用する」とも定められています。この3つを並べると、面接の構造が見えてきます。書類は必ず読まれる。面接は必ず行われる。そして面接は書類と組み合わせて評価される。つまり面接官は、あなたの書類を手元に置いた状態で質問しているということです。深掘りは、その書類の記述がどこまで本人の経験と結びついているかを確かめる手続きです。
深掘りされやすい書き方には傾向がある
書類の中で深掘りされやすいのは、次のような記述です。
- 抽象語で締めている文(「多様性の大切さを学んだ」「主体性が身についた」)
- 主語が「私たち」になっている文(自分が何をしたか分からない)
- 結果だけが書かれ、判断の過程が書かれていない文(「優勝した」「発表した」)
- 動機が一行で終わっている文(「昔から興味があった」)
これらは嘘ではないのに、読み手からすると中身が見えません。だから「具体的にはどういうことですか」「なぜそう思ったのですか」と聞かれます。言い換えると、深掘り質問の内容は書類を読めば事前にかなり予測できるということです。予測できるものを、当日その場で考える必要はありません。
答えに詰まったら提出書類に戻る
本番で詰まったときの戻り先は、提出した書類です。記憶をたどって新しい話を作ろうとすると、書類と矛盾して次の質問でさらに苦しくなります。やることは単純です。頭の中で、自分の志望理由書のどの段落の話をしているのかを特定し、その段落に書いたことを言い直してから、その先を足します。
(詰まったとき)「志望理由書にも書いたのですが、〇〇という点が私の出発点でした。そのうえで申し上げると、……」
この形を1つ持っておくと、沈黙の数秒を埋めながら足場に戻れます。面接官は書類を見ているので、書類に沿った言い直しは不自然になりません。
面接の形式や評価の観点は大学・学部により異なります。志望校の募集要項や説明会の案内で必ず確認してください。
各段落に「なぜ」を3回問い直しておく
準備の中心はこれです。志望理由書や活動報告書の段落ごとに、自分で「なぜ」を3回重ねて答えを用意しておきます。
- 1回目のなぜ: なぜその活動を選んだのか(きっかけ)
- 2回目のなぜ: なぜその方法でやったのか(判断)
- 3回目のなぜ: なぜそれを大学で続けたいのか(接続)
実際にやってみると、多くの人は2回目で止まります。「なんとなくそうした」で終わる箇所が、本番で詰まる箇所です。そこだけ当時の状況を思い出して、選ばなかった選択肢を1つ挙げてください。「Aでもよかったが、Bにしたのは時間が限られていたから」のように、比較が入ると理由が具体的になります。書き出すときは箇条書きで十分です。暗記する必要はなく、思い出せる状態にしておけば足ります。
一文で言い切ってから理由を続ける
深掘りに強い話し方には型があります。結論を一文で言い切り、そのあとに理由を続ける形です。
「〇〇だと考えました。理由は2つあります。1つは……、もう1つは……です。」
遠回しに始めると、面接官は「で、結局どうなのですか」ともう一段掘る必要が出ます。逆に最初に言い切っておくと、掘る方向が理由の説明に限定されるため、自分の準備した範囲に収まりやすくなります。
意点は、理由の数を宣言したら必ずその数だけ言うことです。「2つあります」と言って1つで止まると、そこを指摘されます。自信がないときは数を言わず「理由としては」で始めてください。
声に出す練習は3回だけで変わる
黙読と音読では、準備の質が変わります。黙読では文章として通っているように感じた箇所が、声に出すと言いよどみます。その言いよどむ箇所が、本番で詰まる箇所です。練習は次の順番が効率的です。
- 志望理由書を最初から最後まで音読し、つっかえた箇所に印をつける。
- 印をつけた箇所だけ、「なぜ」を3回問い直して口頭で答える。
- 翌日、印の箇所だけもう一度口に出す。
一度に完璧を目指すより、印のついた箇所を日をまたいで2回触るほうが定着します。相手がいなくても、録音して聞き返せば十分に気づけます。
深掘りされること自体は悪いサインではない
面接後に「たくさん質問されたから落ちたかもしれない」と感じる人がいますが、実施要項が求めているのは「時間をかけた丁寧な面接」です。掘り下げる質問は、評価に必要な材料を集めるための手続きであって、詰問ではありません。むしろ危ないのは、書類の内容にほとんど触れられずに終わった場合ではなく、書類に書いたことを聞かれたのに書類と違う答えをしてしまった場合です。準備の目的は、うまく答えることではなく、書類と口頭の答えを一致させることだと考えてください。なお、合否の基準や面接の比重は大学・学部によって異なり、外から判断できるものではありません。手応えの良し悪しで結果を推測するより、次の出願先の準備に手を動かすほうが建設的です。
よくある質問
- Q. 深掘り質問で答えが分からないときは、黙るより適当に答えたほうがよいですか。
- 作り話で埋めるのは避けてください。書類と矛盾すると次の質問で苦しくなります。「そこまでは調べきれていません。今は〇〇までを考えています」と、分かっている範囲を示す答え方のほうが一貫性を保てます。
- Q. 面接練習の相手がいません。どうすればよいですか。
- 録音して聞き返す方法が基本です。志望理由書を音読して詰まった箇所に印をつけ、その箇所だけ口頭で「なぜ」を3回答える練習をします。学校の先生に時間をもらえる場合は、印をつけた箇所に絞って聞いてもらうと短時間で済みます。
- Q. 面接はオンラインでも行われますか。
- 文部科学省の実施要項では、面接にオンラインによる実施を含むと明記されています。ただし実際にどの形式で行うかは大学・学部ごとの判断です。志望校の募集要項で必ず確認してください。
出典・参考
入試日程・提出書類・字数などは大学・学部・年度によって異なります。出願前に必ず志望校の最新の募集要項をご確認ください。