高校生・保護者 / 志望理由書
公募推薦の自己推薦書の書き方|志望理由書との違いと3要素
更新日 2026/10/13 / アオハルOS 編集部
自己推薦書は「自分の強みを自分で説明する書類」で、志望理由書とは問われていることが違います。まず公募制と指定校制の違いを押さえ、そのうえで自己推薦書に入れる3つの要素と、自由書式のときの組み立て方を見ていきます。
公募制と指定校制はどう違うか
学校推薦型選抜は、文部科学省の大学入学者選抜実施要項で「出身高等学校長の推薦に基づき、調査書を主な資料としつつ」評価・判定する方法と位置づけられています。つまり公募制でも指定校制でも、学校長の推薦が前提であることは共通です。違いは、推薦枠の持ち方です。
| 公募制 | 指定校制 | |
|---|---|---|
| 出願できる人 | 大学が示す推薦要件を満たせば、原則どの高校からでも | 大学が指定した高校の生徒のみ |
| 校内の手続き | 校内の推薦枠を確認したうえで学校長の推薦を受ける | 校内選考で推薦者が決まる |
| 併願の可否 | 併願できる場合がある | 専願が一般的 |
| 競争相手 | 他校の受験生を含む | まず校内の希望者 |
同じ実施要項では、推薦要件について「推薦要件を可能な限り具体的に設定し、募集要項等により示さなければならない」とされています。評定平均の基準、資格、活動実績、専願かどうかなどは募集要項に書かれているので、自己推薦書を書き始める前にそこを読んでください。
専願か併願可かは大学・方式ごとに異なります。推薦が決まった後に辞退できない取り扱いをしている学校・大学もあるため、出願前に必ず確認してください。
自己推薦書と志望理由書は何が違うか
名前が似ているので混同されますが、問われている中心が違います。
| 書類 | 中心になる問い | 主語になりやすいもの |
|---|---|---|
| 志望理由書 | なぜこの大学・学部で学びたいのか | 大学・学部・学びたいこと |
| 自己推薦書 | なぜ自分が選ばれるべきなのか | 自分の強み・実績・取り組み |
| 推薦書 | 学校長が志願者をどう評価するか | 学校(志願者本人は書きません) |
推薦書は学校が作成する書類です。実施要項では、推薦書の中に「大学・学部等のアドミッション・ポリシーに対応する志願者本人の学習歴や活動歴を踏まえた学力の三要素に関する評価についての記載を求める」とされています。つまり学校も活動歴に触れて評価を書くため、自己推薦書で同じ出来事を扱うこと自体は問題ありません。ただし、自己推薦書では「その経験で自分が何をして、何ができるようになったか」を本人の言葉で書くことが求められます。
自己推薦書に入れる3つの要素
自由書式でも設問ありでも、入れる要素は共通です。
- 強み(自分は何ができるのか)を一つの言葉で示す
- その根拠になる具体的な経験を一つ、行動が分かるように書く
- その強みを志望先でどう生かすのか、学びと結びつける
私は、うまくいかない原因を手順に分けて確かめる進め方を身につけました。文化祭の展示準備で来場者の滞在時間が短い状態が続いたため、配置・掲示の文字量・案内役の位置を一つずつ変えて記録し、掲示の文字量が原因だと分かりました。貴学部の〇〇演習では実際のデータを扱うと伺っており、この確かめ方を学問的な手法として深めたいと考えています。
3つの要素のうち、字数を一番使うのは2番の経験です。「頑張りました」「学びました」で終わらず、自分が実際にとった行動が読み取れるかを基準にしてください。
様式が「自由書式」のときの組み立て方
自己推薦書は、大学所定の様式に設問がある場合と、枠だけが用意されている場合があります。たとえば上智大学の公募推薦で使う自己推薦書は、高等学校名・氏名・志望学部学科の記入欄のほかは自由書式で、分量の目安としてA4サイズ1枚以内と示されています。自由書式のときは、読み手が探している情報を自分で見出しにしてしまうと伝わりやすくなります。
- 1行目に、強みを一文で書く(見出しのように使う)
- 次の段落で、根拠になる経験を一つ
- 最後の段落で、志望先の学びとのつながり
- 余白を残し、文字の大きさは読みやすさを優先する
総合型選抜でも自己推薦書を求める大学があります。筑波大学のAC入試(総合型選抜)では、所定様式の表紙に加えて本文は様式・枚数が自由とされ、別の「活動経過報告書」に自己推薦書の要約を400字以内で書く形式になっています。このように、自由書式でも「どこかに要約を書かせる」設計になっていることがあるため、様式一式をすべて確認してから下書きを始めてください。
強みを一つ選ぶときの基準
強みが複数思い浮かぶときは、次の3つの基準で絞ってください。
- 具体的な場面を一つ挙げて説明できるか(説明できない強みは根拠が書けません)
- 志望する学部・学科の学びと結びつくか
- 推薦要件や大学が示す求める学生像と方向が合っているか
成績や資格だけでは強みになりません。調査書に数字として出る項目は大学側も見ているため、自己推薦書では「その数字の背景にある取り組み方」を書くほうが役割分担として自然です。
よくあるつまずき方
- 強みを3つ4つ並べ、どれも根拠が1〜2行で終わる
- 大会や検定の名前だけを列挙し、自分が何をしたかが書かれていない
- 志望理由書と同じ内容を書き写してしまい、2通が同じ文章になる
- 「貴学の〇〇に魅力を感じました」で終わり、自分の強みの話が消える
- 字数や枚数の指定を超える/手書き指定の様式をワープロで作る
2通とも提出する場合は、片方を読んでから他方を読む人がいる前提で、重なる部分を意識的に減らしてください。
提出前の確認リスト
- 強みが一文で言えているか(冒頭で分かるか)
- 根拠の経験が一つに絞られ、自分の行動が書かれているか
- 志望先の学びとのつながりが書かれているか
- 字数・枚数・筆記具・手書きの指定に合っているか
- 推薦要件(評定平均・専願の扱いなど)を満たしているか
- 志望理由書と内容が重複しすぎていないか
よくある質問
- Q. 自己推薦書と志望理由書の両方を出すとき、同じ経験を書いてもいいですか。
- 同じ経験を使ってもかまいませんが、切り口を変えてください。志望理由書では「その経験から何を学びたいと思ったか」、自己推薦書では「その経験で自分が何をしてどんな力がついたか」に焦点を置くと、2通の役割が分かれます。
- Q. 部活動の実績や資格がないと自己推薦書は書けませんか。
- 大会実績や資格は必須ではありません。授業での探究活動、委員会、アルバイト、家庭での役割なども根拠になります。大切なのは、自分がとった行動とその結果が具体的に書けることです。
- Q. 公募推薦は何校でも出願できますか。
- 大学・方式によって専願に限る場合があり、高校側でも推薦できる人数や校内の取り扱いが決まっていることがあります。出願先の募集要項と、学校の進路指導の案内で必ず確認してください。
出典・参考
入試日程・提出書類・字数などは大学・学部・年度によって異なります。出願前に必ず志望校の最新の募集要項をご確認ください。