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課題文型小論文の要約の書き方|筆者の主張を落とさない3手順
更新日 2026/09/27 / アオハルOS 編集部
課題文型小論文の要約は、感想でも抜き書きでもありません。やることは「筆者の主張を一文で取り出す→その主張を支える根拠を選ぶ→指定字数に合わせて削る」の3手順だけです。この順番を守ると、読み終えた直後でも手が動きます。
要約で手が止まるのは、読みながら書こうとしているから
課題文を読みながら、大事そうな一文に線を引いて、それをつないで要約にする。この書き方をすると、たいてい字数が足りなくなります。線を引いた文は、どれも「大事そう」ではあるものの、主張なのか根拠なのか例なのかが区別されていないからです。
要約は、文を集める作業ではなく、文章の構造を取り出す作業です。課題文には必ず、筆者がいちばん言いたいこと(主張)と、そう言える理由(根拠)と、読者に分からせるための材料(具体例・たとえ話・データ)が入っています。要約に残すのは前の二つで、三つ目は原則として落とします。
だから、一度読み切ってから書き始めてください。読みながら書くと、最後の段落に主張が置かれている文章で必ず破綻します。日本語の評論文は、結論が後ろに来る形が多いので、途中までの内容で要約を組み立てると、筆者の立場を取り違えたまま提出することになります。
手順1:筆者の主張を一文で取り出す
最初にやるのは、「この人は結局、何を言いたいのか」を自分の言葉で一文にすることです。課題文のどこかにある一文をそのまま抜き出すのではなく、自分で言い直します。
主張が置かれやすい場所は決まっています。次の順で探すと見つかります。
- 最終段落、または最後から二つ目の段落。
- 「しかし」「だが」「ところが」の直後。逆接のあとには筆者の立場が来ます。
- 「〜べきである」「〜ではないだろうか」「重要なのは〜だ」などの評価を含む文末。
- 冒頭で問いが提示されている場合、その問いに対する答えにあたる部分。
見つけたら、次の形に当てはめて一文にします。
筆者は、〈対象〉について〈どうだと/どうすべきだと〉述べている。
この一文がぶれると、以降の要約も本論の意見もすべてずれます。時間がないときでも、ここだけは丁寧にやってください。
手順2:主張を支える根拠を選ぶ
次に、その主張が「なぜそう言えるのか」を示している部分を拾います。ここで迷ったら、主張の一文に「なぜなら」を付けて、課題文の中から続く言葉を探すと判断しやすくなります。
根拠は、指定字数に応じて数を決めます。多く入れるほど良いわけではありません。字数が少ないのに根拠を三つ並べると、一つひとつが「〜という指摘もある」程度の紹介文になり、論の流れが見えなくなります。
落とすものもはっきりさせておきます。
- 具体例・エピソード:原則落とします。残す場合は「具体例を挙げながら」のように一語でまとめます。
- たとえ話・比喩:落とします。たとえ話は主張そのものではありません。
- 数値やデータ:根拠の中心になっているときだけ残します。その場合も出典名までは書きません。
- 筆者が紹介している他人の説:筆者がそれに賛成しているのか反対しているのかを示さずに残すと、誰の主張か分からなくなります。残すなら「〜という見方を筆者は退けている」のように立場をつけます。
課題文に段落番号が振られている場合、設問で「第3段落を要約せよ」のように範囲が指定されていることがあります。範囲指定を読み落とすと全文要約を書いてしまうので、設問文を先に確認してください。
手順3:指定字数に合わせて削る
主張と根拠が決まったら、指定字数に合わせて組み立てます。目安は次のとおりです。
| 指定字数 | 入れる要素 | 構成の目安 |
|---|---|---|
| 100字前後 | 主張のみ+根拠を一言 | 1文〜2文 |
| 200字前後 | 主張+根拠1つ | 2文〜3文 |
| 300〜400字 | 主張+根拠2つ+前提となる状況 | 4文前後、段落は1つ |
削るときは、文の数を減らすのではなく、一文あたりの修飾を減らします。「近年ますます深刻になりつつある少子化という問題について」は「少子化について」で足ります。課題文の言い回しを尊重しすぎると、字数だけ消えていきます。
逆に字数が余るときは、具体例を戻すのではなく、主張の前提にあたる部分(筆者が何を問題だと考えているのか)を足してください。例を戻すと、要約ではなく紹介文になります。
設問が「要約」を求めていないときの扱い
課題文型の小論文でも、設問が「筆者の主張を踏まえて、あなたの考えを述べよ」とだけ書かれていることがあります。この場合、独立した要約段落を長く書く必要はありません。
ただし、筆者の主張に触れずにいきなり自分の意見を書き始めると、課題文を読んだことが伝わりません。書き出しの2〜3文で、筆者の立場を短くまとめてから自分の立場に入るのが安全です。
筆者は、地域の図書館の役割を蔵書の保存から人の交流へと広げるべきだと述べている。この主張のうち、交流の場としての機能を重視する点には賛成だが、保存機能を縮小する前提には疑問が残る。
このように、要約部分を自分の立場の土台として使うと、字数を無駄にせずに済みます。設問が要約の字数を指定している場合は、当然その指定に従ってください。配点や設問構成は大学・学部ごとに違うので、必ず募集要項と過去問で確認してください。
やりがちなNG3つ
- 感想が混じる:「筆者の指摘は興味深い」「考えさせられる内容である」は要約ではありません。評価は自分の意見を書く部分に回します。
- 抜き書きのつなぎ合わせ:課題文の文をそのまま並べると、接続が切れて読みにくくなります。自分の言葉で言い直してください。
- 主語が消える:「重要だと述べている」だけでは、誰が述べているのか分かりません。「筆者は」を最初に一度置きます。
練習の順番
要約は、短時間で伸ばしやすい部分です。次の順で練習すると効率がいいです。
- 新聞の社説を1本読み、主張を一文で書く。これを1日1本、1週間続ける。
- 同じ社説で、根拠を一つだけ足して200字にする。
- 志望校の過去問の課題文で、指定字数どおりに書く。
- 書いたものを、課題文を読んでいない人に見せて、筆者の立場が伝わるか確認する。
4つ目が大事です。要約は「自分は分かっている」状態で書くので、抜けに気づきにくい書類です。他人の目を一度通してください。
テンサクンは、要約と自分の意見のつながりや、論理の飛びを見て添削レポートを返します。課題文そのものを添付できないときは、要約と設問文だけでも出せば、構造の指摘は受けられます。月1回無料で、登録だけ・カード不要で試せます。専門塾の100分の1の費用感で、Proは月980円です。
よくある質問
- Q. 要約に自分の意見を少しだけ入れてもいいですか。
- 入れないでください。要約は筆者の文章を再現する部分で、評価される観点が自分の意見とは別です。意見は必ず要約のあとの段落に分けて書いてください。
- Q. 課題文が英語の場合も同じ手順でいいですか。
- 手順は同じです。ただし訳語に迷ったときは、無理に専門用語を訳さず、文章全体で筆者が何を問題としているかから判断してください。出題形式や使用言語は学部ごとに違うので、募集要項で確認してください。
- Q. 要約の字数が指定されていないときは何字くらい書けばいいですか。
- 全体の字数の10〜20%程度が目安です。800字の小論文なら100〜150字程度で、筆者の主張と根拠が一つ伝われば十分です。要約が長くなるほど、自分の意見に使える字数が減ります。
出典・参考
- 文部科学省 令和9年度大学入学者選抜実施要項(小論文等により、自らの考えを論理的・創造的に形成する思考・判断の能力や、それを的確に表現する能力を評価することが望ましいとされている)
- 文部科学省 入学者選抜実施要項(年度別一覧)
入試日程・提出書類・字数などは大学・学部・年度によって異なります。出願前に必ず志望校の最新の募集要項をご確認ください。