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ESの自己PR欄の書き方|ガクチカとの違いと書き分け方
更新日 2026/10/14 / アオハルOS 編集部
ESの「自己PR」と「学生時代に力を入れたこと(ガクチカ)」は、問われていることが違う欄です。自己PRは強みを一文で言い切ってから支える経験を添え、ガクチカは工夫と結果を中心に書くと、同じ経験を使っても内容が重複しません。書き分けの手順を順に見ていきます。
自己PRとガクチカは問いが違う
2つの欄が同じ内容になってしまうのは、どちらも「自分の経験を書く欄」として読んでしまうからです。実際には、問われている中心が違います。
| 欄 | 中心になる問い | 主語になりやすいもの |
|---|---|---|
| 自己PR | あなたの強みは何か | 自分の能力・性質 |
| ガクチカ | 何に取り組み、どう工夫したか | 経験・行動・結果 |
自己PRが聞いているのは人物像です。採用側は、その強みが入社後の仕事で発揮されるかを想像しながら読みます。ガクチカが聞いているのは経験の中身で、どんな状況で何を考え、何をしたのかが読みたい部分です。
強みをどう言葉にするか迷うときは、経済産業省が示している「社会人基礎力」が手がかりになります。社会人基礎力は「職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力」として、「前に踏み出す力」「考え抜く力」「チームで働く力」の3つの能力に整理されています。自分の経験がこの3つのどれに近いかを考えると、強みの言葉が選びやすくなります。
自己PRは強みを一文で言い切ってから書く
自己PR欄でよくあるのは、エピソードの説明から始めて、最後に「だから私の強みは〇〇です」とまとめる順番です。これだと、読み手は最後まで読まないと強みが分かりません。ESは1社あたり数分で読まれることもあるため、強みが後ろにあると伝わりにくくなります。
おすすめは逆の順番です。
- 最初の一文で強みを言い切る
- それを支える経験を一つだけ書く(状況・行動・結果)
- 最後の一文で、その強みを仕事でどう使うかを示す
私の強みは、課題を小さく分けて進める力です。アルバイト先で新しいレジ操作の研修担当になったとき、手順を5つの工程に分け、工程ごとに確認表を作って説明しました。結果として、新人が一人で対応できるようになるまでの期間が短くなりました。配属後も、覚えることが多い業務を分けて進める形で早く立ち上がりたいと考えています。
強みを先に言い切ると、エピソードが「強みを説明するための具体例」として読まれます。順番を変えるだけで、同じ内容が伝わりやすくなります。
強みは1つに絞ってください。2つ3つ並べると、根拠がそれぞれ1〜2行になり、どれも印象に残りません。
ガクチカは経験と工夫を中心に書く
ガクチカでは、強みの言い切りよりも、取り組んだ経験の中身が中心になります。所属や役職名ではなく、自分が具体的に何をしたかを書いてください。
- 何に取り組んだか(状況・自分の役割)を一文
- うまくいかなかった点、または課題だと考えた点を一文
- そこで自分が考えて行ったことを一〜二文
- 結果として何が変わったかを一文
アルバイト先で新人研修の担当になりました。説明を一度に全部伝えていたため、覚えきれずに同じ質問が繰り返される状態が続きました。そこで手順を5つの工程に分け、工程ごとに確認表を作り、1日1工程ずつ進める形に変えました。その結果、同じ質問の回数が減り、新人が一人で対応できるようになるまでの期間が短くなりました。
自己PRと同じ経験を使ってもかまいません。ただしガクチカでは、強みの言葉(この例では「課題を小さく分けて進める力」)は書かず、工夫と結果の説明に字数を使います。強みの説明は自己PR欄に任せる、という役割分担です。
同じ経験から2つの欄を書き分ける手順
経験が一つしかなくても、2つの欄は書けます。手順は次の通りです。
- 経験を一つ選び、状況・自分の行動・結果を箇条書きで書き出す
- その行動に共通する性質を一言にする(これが強みになります)
- 自己PR欄は、2で決めた強みを冒頭に置き、行動と結果を短くまとめる
- ガクチカ欄は、1の書き出しをそのまま使い、工夫した点を厚く書く
- 2つを並べて読み、同じ文が入っていないか確認する
| 自己PR欄 | ガクチカ欄 | |
|---|---|---|
| 冒頭 | 強みの言い切り | 取り組んだことと自分の役割 |
| 中心 | 強みの根拠(短く) | 課題・工夫・結果(詳しく) |
| 結び | 仕事でどう使うか | 結果として何が変わったか |
5の確認は声に出して読むと分かりやすくなります。同じ表現が両方に出てくる場合は、ガクチカ側から強みの言葉を削ってください。
数字が出しにくいときの書き方
「売上を20%改善した」のように数字があると具体的に伝わりますが、数字が出ない経験でも書けます。無理に数字を作る必要はありません。
- 「同じ質問をされる回数が減った」
- 「一人で対応できるようになるまでの期間が短くなった」
- 「後から入った人も同じ手順で進められるようになった」
このように、変化が伝わる言葉で代用できます。数字を入れるかどうかよりも、「何がどう変わったか」が具体的に書かれているかが大切です。
覚えていない数字を推測で書くことは避けてください。面接でその数字の根拠を聞かれる可能性があります。
書かなくてよいこと
ESは応募者の適性・能力を見るための書類です。厚生労働省は「採用選考時に配慮すべき事項」として、就職差別につながるおそれがある14事項を示しており、本籍・出生地、住まいの状況、家族の職業や収入、宗教、支持政党、思想、尊敬する人物、購読している新聞や愛読書などをエントリーシートに記載させることや面接で尋ねることは、適性・能力とは関係がないとされています。
自己PR欄やガクチカ欄に、こうした内容を自分から詳しく書く必要はありません。家族の話を入れたい場合も、自分がその状況で何をしたかに焦点を置けば足ります。
提出前のチェックポイント
- 自己PR欄の最初の一文で強みが言えているか
- 強みが1つに絞られているか
- 自己PRとガクチカに同じ文が入っていないか
- ガクチカに、自分がとった行動が具体的に書かれているか
- 結果として何が変わったかが書かれているか
- 指定字数の範囲に収まっているか(「400字以内」なら380字前後が目安)
- 誤字・脱字、企業名・部署名の表記ミスがないか
- 書いた内容について、面接で深掘りされても答えられるか
ESの設問文や字数は企業ごとに異なります。「自己PR」「ガクチカ」という区分ではなく、独自の設問を置く企業もあるため、設問が何を問うているかを読み取ることを優先してください。
よくある質問
- Q. 自己PRとガクチカで同じ経験を使ってもいいですか。
- 使ってもかまいません。自己PRでは「その経験から見える強み」、ガクチカでは「工夫と結果」に焦点を置くと、同じ経験でも2つの欄の役割が分かれます。同じ文をそのまま使わないことだけ気をつけてください。
- Q. ガクチカに書けるような実績がありません。
- 大会実績や役職は必須ではありません。授業、ゼミ、アルバイト、サークルの運営、長期休みの取り組みなども対象になります。大切なのは、課題だと考えた点と、そこで自分が行ったことが書けることです。
- Q. ESはいつから準備すればよいですか。
- 2027年度卒業・修了予定者の場合、政府が示している日程の考え方では広報活動開始が2027年3月1日以降、採用選考活動開始が2027年6月1日以降とされています。実際の提出時期は企業によって異なるため、志望する企業の案内で確認してください。
出典・参考
- 経済産業省 社会人基礎力
- 厚生労働省 公正な採用選考 特設サイト「採用選考時に配慮すべき事項」
- 内閣官房 就職・採用活動日程に関する関係省庁連絡会議「2027年度卒業・修了予定者の就職・採用活動日程に関する考え方」
入試日程・提出書類・字数などは大学・学部・年度によって異なります。出願前に必ず志望校の最新の募集要項をご確認ください。