高校生・保護者 / 入試制度
調査書の依頼の進め方|推薦入試で間に合わせる手順
更新日 2026/10/12 / アオハルOS 編集部
調査書は、自分で書く書類ではなく、学校が作って校長名で大学に出す書類です。校内で原案作成・審議・校長の作成という手順を踏むため、思ったより時間がかかります。先に出願日から逆算し、担任の先生へ相談する日を決めてしまうのが確実です。
調査書はどういう書類か
調査書は、高校が生徒の学習や活動の記録をまとめて大学に提出する書類です。文部科学省の令和9年度大学入学者選抜実施要項(2027年4月入学者が対象)では、大学が出願の際に提出させる書類として「指導要録に基づき別紙様式1により作成した調査書」が挙げられています。つまり、調査書の中身は、日々の学習や活動について学校が残している指導要録の記録がもとになります。
様式についても定めがあります。同要項の注意事項では、日本産業規格A4判の上質紙を用い、「表裏の両面1枚を使って作成すること」とされています。1枚(両面)という分量の中に、各教科の学習の記録や出欠の記録、そして「指導上参考となる諸事項」が収められます。この諸事項の欄については、要点を箇条書きするなどして記載事項を必要最小限にとどめるとされており、文字数の上限は示されていません。
ここから分かるのは、調査書は受験生がアピール文を書き込む場所ではないということです。書くのは学校であり、根拠になるのは記録です。だから受験生ができるのは、内容を作ることではなく、記録に残っている事実を自分が正しく把握しておくことと、依頼を早めに出すことの2つです。
調査書を提出書類とするか、何通必要か、どの選抜方式で使うかは大学・学部ごとに異なります。必ず募集要項で確認してください。
誰がどう作るのか(だから時間がかかる)
発行までに時間がかかる理由は、手続きが1人で完結しないからです。同要項の注意事項には、作成の手順が次のように示されています。ホームルーム担当教員等が原案を作成し、関係教員による委員会の審議を経て、校長が作成し、その責任において大学に提出する、という流れです。
- 担任の先生が原案を作る(記録の確認と記載内容の整理)
- 関係する先生方の委員会で内容を審議する
- 校長が調査書として作成する
- 記載責任者の職氏名を記載し、押印する
記載の姿勢についても定めがあり、個人的な主観にとらわれたり、特別の作為を加えたりしないこととされています。つまり「良く書いてほしい」という依頼に応じて内容を変える書類ではありません。頼むべきなのは内容の脚色ではなく、必要な通数と期限の共有です。
もう1つ押さえておきたいのが、提出の形です。同要項では、大学と高校が個別に合意した場合に限り、電磁的記録による調査書を求めることができるとされています。この場合は校長や記載責任者の押印は不要になります。ただしこれは大学と高校の合意が前提なので、受験生の側で紙かデータかを選べるわけではありません。インターネット出願の場合も、調査書だけは郵送を求められることがあります。
校内の締切・依頼方法・1人あたりの発行通数の上限は、高校ごとに決められています。学校の進路指導の指示に従ってください。
出願日から逆算して依頼する手順
依頼のタイミングは、「出願締切の何日前」ではなく「校内の締切の何日前」で考えます。大学の締切より、高校の事務手続きのほうが先に来るからです。次の順に埋めてください。
- 志望校・方式ごとに、募集要項で出願締切日(消印有効か必着か)と必要通数を書き出す
- 学校推薦型選抜を受けるなら、校内選考の締切も書き出す(大学の出願締切よりかなり前になります)
- 進路指導の先生に、調査書の校内申込方法と発行にかかる期間を確認する
- 3で聞いた期間に、長期休業・定期試験・学校行事の期間を足して余裕日を作る
- 「依頼する日」をカレンダーに記入し、担任の先生に相談の予約を入れる
【逆算の考え方の例】
大学の出願締切が11月6日必着 → 郵送に2日見て11月4日までに手元に必要 → 発行に2週間かかる学校なら10月21日までに申込 → 定期試験期間を避けて10月14日までに依頼の相談
| 確認する項目 | どこで分かるか |
|---|---|
| 必要通数・提出方法 | 各大学の募集要項 |
| 発行にかかる期間 | 高校の進路指導・事務室 |
| 校内申込の締切 | 高校の案内・進路だより |
| 校内選考の締切 | 高校の進路指導 |
複数校を受ける場合は、1回の依頼でまとめて必要通数を申し込むほうが、先生の負担も自分の手間も少なくなります。そのためには、受ける可能性のある学校を先に洗い出しておく必要があります。迷っている段階でも、候補として多めに数えておくほうが安全です。
推薦書は調査書とは別の書類
学校推薦型選抜では、調査書に加えて推薦書が必要になることがあります。この2つは役割が違います。実施要項では、学校推薦型選抜について、志願者の学習歴・活動歴を踏まえ、大学・学部のアドミッション・ポリシーに対応する学力の三要素の評価を推薦書に記載するよう求めることとされています。
学力の三要素は、同要項の基本方針で次の3つとして示されています。
- 基礎的・基本的な知識・技能
- 思考力・判断力・表現力等
- 主体性を持ち多様な人々と協働しつつ学習する態度
あわせて、生徒の努力を要する点など、その後の指導で特に配慮が必要な内容も記載を求めるとされています。推薦書は「良いところだけを書く書類」ではなく、指導の引き継ぎも含む書類だと理解しておくと、依頼のときの受け止め方が変わります。
依頼する側として大切なのは、推薦書を書く先生に、自分が何を学びたいのかを言葉で伝えておくことです。先生が知らない関心や活動は、書類に反映されません。面接で「推薦書に書かれていること」に触れられる場面もあるため、自分が伝えた内容と提出書類の方向がそろっているほうが落ち着いて答えられます。
推薦書の様式・字数・提出方法は大学ごとに異なります。参考様式が示されている場合もありますが、実際に使う様式は募集要項で確認してください。
調査書と志望理由書の内容をそろえる
調査書は記録に基づく書類で、志望理由書は自分で書く書類です。この2つがずれていると、面接で説明が必要になります。提出前に、次の3点を見比べてください。
- 志望理由書で挙げた活動が、調査書に記録されている事実と食い違っていないか
- 活動の時期や立場(学年、役割)が実際と一致しているか
- 志望理由書だけに登場する活動がある場合、面接で経緯を説明できるか
ずれが起きやすいのは、記憶で書いてしまったときです。「2年生のとき」と書いたが実際は3年生の春だった、担当した役割の名称が違っていた、といった小さな食い違いでも、面接で確認されると答えに詰まります。日付や役割は、自分の手帳や学校の配布物で確かめてから書いてください。
逆に、調査書に載っていない活動を志望理由書に書くこと自体は問題になりません。校外の活動や個人の取り組みは記録に残らないこともあります。その場合は、いつ・どこで・何をしたのかを一言添えられるようにしておけば足ります。
【そろえるときの確認の一文】
「志望理由書で中心に書いた活動は、調査書のどの記録と対応しているか」を、1行で自分に説明できるか確かめる
調査書が間に合わない・入手できないとき
手続きが間に合わないと分かった時点で、まず高校に相談してください。発行の順番や日程の調整ができる場合があります。そのうえで、大学側に事情を問い合わせるのは高校を通すのが通例です。自己判断で出願を遅らせる前に、学校に確認してください。
調査書そのものが得られない場合については、実施要項に定めがあります。調査書が得られない場合は、卒業証明書や成績通信簿等による代替措置を講じ、募集要項で周知することが望ましいとされています。また、外国の教育課程修了者等については、試験等の成績証明書で調査書に代えることができるとされています。
- 卒業から年数が経っている場合:出身高校に保存状況を確認する
- 高校が統廃合された場合:都道府県の教育委員会や引継校に問い合わせる
- 高等学校卒業程度認定試験の合格者:大学の募集要項で必要書類を確認する
いずれの場合も、代替書類の扱いは大学ごとに決められています。「調査書がないから出願できない」と結論を出す前に、募集要項の提出書類の欄と、大学の入試課への問い合わせ先を確認してください。
依頼前のチェックリスト
担任の先生に相談する前に、次の項目を埋めておくと1回の相談で済みます。
- 受ける可能性のある大学・学部・方式の一覧
- それぞれの出願締切日と、必要な調査書の通数
- 校内選考がある方式かどうか
- 推薦書が必要かどうか(必要なら様式と締切)
- 自分が志望理由書で中心に書く予定の活動
- 希望する受け取り日(余裕日を含めた日付)
この6点を紙1枚にまとめて持っていくと、先生の側も校内の手続きを組みやすくなります。口頭で「推薦を考えています」と伝えるだけだと、必要な通数や日程が決まらず、相談が2回3回に分かれます。
志望理由書の中身を、調査書に残っている事実と結びつけて考える作業は、1人で進めると手が止まりやすい部分です。アオハルOSの「しぼりゆ」は、対話形式の質問に答えながら、自分の経験と志望の理由を整理して構成案まで持っていけるツールです。登録だけ・カード不要で無料で試せます。専門塾の100分の1の費用感で使えるProプラン(月980円)もあります。
よくある質問
- Q. 調査書は自分で中身を確認できますか。
- 開封無効の封筒で渡されることが多く、その場合は中を見られません。記載内容について知りたいことがあれば、担任の先生に口頭で確認してください。なお、調査書は指導要録に基づいて作られる書類なので、記録にない事実が加わることはありません。
- Q. 調査書の発行にはどのくらいかかりますか。
- 一律の目安はありません。担任の原案作成、委員会の審議、校長による作成という手順を踏むため、学校の繁忙期を挟むと長くなります。期間は高校ごとに違うので、進路指導の先生か事務室に直接確認してください。
- Q. インターネット出願なら調査書もデータで送れますか。
- 実施要項では、電磁的記録による調査書は大学と高校が個別に合意した場合に限り求められるとされています。受験生が選べるものではないため、提出方法は募集要項の指示に従ってください。郵送が必要な場合は、締切が消印有効か必着かも確認してください。
- Q. 複数校を受ける場合、調査書は何通必要ですか。
- 大学ごとに必要通数が決まっているため、募集要項を見て合計してください。高校に依頼するときは、予備を含めてまとめて申し込むほうが手続きが1回で済みます。ただし1人あたりの発行通数に上限を設けている高校もあるので、校内の案内を確認してください。
出典・参考
入試日程・提出書類・字数などは大学・学部・年度によって異なります。出願前に必ず志望校の最新の募集要項をご確認ください。